犬がほっとできる庭づくり!植栽でつくるやわらかな空間

庭に植物があると、犬にとっても飼い主にとっても心が落ち着き、季節を感じられる豊かな空間になります。

そして結論から言うと、犬と暮らす庭に向く植栽のポイントは「安全性」「香りや質感の心地よさ」「日陰づくり」「動線の邪魔をしない配置」の4つを整えること。

犬は植物のにおいを嗅いだり、風に揺れる葉の動きを眺めたりと、五感で庭を楽しみます。
だからこそ、庭づくりの中で“植栽”はとても大切な要素なのです。


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犬にとって“心地よい植栽”とは?

犬が庭でリラックスできるかどうかは、植物との距離感によっても変わります。

  • 匂いが強すぎない
  • 触れたときに痛くない
  • 動線の邪魔をしない
  • 涼しい日陰を作ってくれる
  • 風通しが悪くならない

こうしたポイントがそろうと、犬が自然と植栽のそばに近づき、庭で落ち着いた時間を過ごすようになります。

逆に言えば、背が高すぎたり棘があったりすると、犬にとって歩きにくい庭になりやすいということでもあります。

犬が橋を渡っている

1. 犬に優しい植物にはどんな特徴がある?

犬と暮らす庭の植栽では、“触れて安心”“香りが穏やか”“管理しやすい” という3つの軸で選ぶと失敗しにくくなります。

香りが穏やかで心地よい植物

  • タイム
  • カモミール
  • レモングラス
  • ミント(広がりすぎに注意)

風に揺れるとやわらかな香りが広がり、犬が“くんくん”と匂いを楽しみやすい植物です。

葉や茎の感触がやさしい植物

  • セダムなど多肉系のやわらかい葉
  • ヤブラン(葉がやわらかい品種)
  • フェスツカ(細くしなやかなグラス系)

犬が体を寄せても痛くなりにくいのが安心です。

管理がしやすい植物

  • ローズマリー(立性)
  • ラベンダー
  • 低木のボックスウッド
  • アジュガ(地面カバーにも)

庭の見た目を整えつつ、手入れの負担も軽くなります。


犬と花

2. 逆に避けたい植物は?

ここでは犬にとって “危険性がある可能性があるため注意したい植物の傾向” をやさしくまとめます。
 

注意したい特徴

  • 棘がある(バラ、アザミなど)
  • 葉先が鋭い(鋭いアガベ類など)
  • 強い香りで刺激があるもの
  • 植物片が飛び散りやすいもの

犬が興味本位で触れたり嗅いだりしたときにケガのリスクが高いタイプは避けるのが無難です。

特に、棘がある植物は“目の高さ”に来やすいので要注意。
どうしても育てたい場合は、犬の動線から離れた位置に植えるなど工夫が必要です。


3. 植栽で“日陰スペース”を作れる?

日陰は夏の庭に欠かせない要素ですが、植栽でも自然に作れます。

日陰づくりに向く植物

  • シマトネリコ
  • オリーブ
  • モミジ(半日陰を好む子には◎)
  • アオダモ

背が高くても圧迫感が少なく、風通しが良い樹木は、庭の明るさを保ちながら犬が休める日陰をつくってくれます。

日陰を作るときの注意点

  • 風通しを妨げない樹形か
  • 落ち葉の量が多すぎないか
  • 根が張りすぎて通路を圧迫しないか

自然な木陰は犬にとってとても快適ですが、管理のしやすさも確認しておくと安心です。


日陰で休む犬

4. 植栽で“動線”はどう変わる?

植栽は見た目だけでなく、犬の動線にも影響します。

動きやすい植栽配置

  • 通路や走るラインには背の低い植物を
  • 角(コーナー)には丸みのある植栽
  • 視界を遮りすぎないよう高さを調整

犬は好奇心旺盛なので、コーナーにやわらかい植栽があると安心して曲がりやすくなります。

庭を“探索できる空間”にする植物

  • ハーブ系
  • 香りのバリエーションがある植物
  • 低木のツツジやアベリア

犬はにおいで情報を得るため、香りや質感の違いがある植物があると探索の楽しさが広がります。


植物

5. 地面をやさしく整えてくれる“グラウンドカバー”の使い方

走る場所に芝を敷くのもよいですが、部分的にグラウンドカバーを使うと、犬の足にやさしい“布団のような層” を作れます。

犬に向くグラウンドカバー

  • クラピア(踏まれても強い)
  • ダイカンドラ
  • セダム

どれも低く広がり、足触りが柔らかいのが特徴です。
特にクラピアは踏まれても枯れにくく、日向にも強いので犬の動線に向いています。

注意点

  • 水はけが悪い場所は向かない
  • 全面に広げるより部分的な使用がおすすめ

芝と組み合わせることで、負担の少ない歩きやすい庭になっていきます。


グラウンドカバー

6. 犬の年齢や性格で植栽はどう変える?

植栽は犬のタイプに合わせると失敗しにくいです。

子犬

  • 好奇心旺盛 → 香りが強すぎない植物
  • ぶつかりやすい → 柔らかい葉の植物

成犬

  • 運動量が多い → 動線を広く保てる植栽配置
  • 探索好き → 香りや質感の違う植物を複数

高齢犬

  • 視力が落ちてくる → 動線を邪魔しない低木中心
  • 過度に暗くなる樹木は避ける

“今のうちの子”に合わせて変えていく柔軟さが大切です。


犬と花

7. 植栽で庭の雰囲気はどう変わる?

最後に、植栽がもたらす庭全体の効果も知っておくと、より適切に選べます。

視覚

緑があると落ち着きやすく、犬も安心して過ごしやすくなります。

嗅覚

香りのある植物はにおい探索の良い刺激になります。

風に揺れる葉音は、犬にとっても心を落ち着かせる効果があります。庭に“自然のゆらぎ”が加わることで、犬の生活にもやさしいリズムが生まれます。


まとめ

犬と暮らす庭に向く植栽を選ぶポイントは、安全性・心地よさ・日陰づくり・動線の工夫 の4つです。

香りや感触がやさしい植物、涼しい木陰を作ってくれる樹木、足にやさしいグラウンドカバーなどを組み合わせると、犬が自然と庭に足を運びたくなる空間ができます。
“うちの子の性格” を大切にしながら、家庭の庭でも取り入れやすい方法から少しずつ整えてみてください。

次は、庭を清潔に保つための 衛生管理・メンテナンス に進みます。

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